2009年02月28日

刻は取り戻せるか・東京中央郵便局。

刻は取り戻せるか・東京中央郵便局。



東京駅丸の内口。
東京駅自身の改修・復元工事が進む中、
丸ビル、新丸ビルをはじめ、
丸の内物語の三菱パークビルディングなど、
超高層ビルが林立する駅前へと変貌しましたが、
これらのビルの中には、
決して取り壊されること無い東京駅の余剰容積率を
分配されて、より高く建てられたビルが多く存在します。


そんな中で、さらに駅横にある東京中央郵便局

1933年、吉田哲郎氏によって設計されたこの建物は、
近代建築の発祥・バウハウスから発信された
国際建築様式・インターナショナルスタイルを
着実に日本に定着させた名建築。
柱と梁のグリット構成で、腰壁を廃し、
鉄筋コンクリート構造のピュアな表現と
これまた障子を思わせる格子状サッシ。
全体を見回しても、見事なプロポーションで
構成されております。


刻は取り戻せるか・東京中央郵便局。



文化庁が重要文化財の指定を検討するという
名建築でありながら、
現在は、仮囲いに囲まれて
解体前調査の真っ最中。
その象徴的な時計の針は取り外されたまま。

この外観と一部を残しながらヘルムート・ヤーン設計
2011年には38階建てのオフィス・
商業ビルとして生まれ変わる予定・・・

で、あの総務大臣が『待った』。
http://markezine.jp/article/detail/4256

かんぽの宿問題で、
国民の感じる素朴な疑問を呈して
その全容を明るみに出してくれた方。
今度も、郵政事業への介入という政治的な面はさておき、
様々な形で保存運動がおこなわれていた東京中央郵便局。

これを機会に、是非再検討されることを願っております。
そんなにオフィスが必要なの??


<3/3追記>
調査といいつつ、一部は既に解体されている模様の東京中央郵便局。
えっ、そうなのという状況ですが、
いったい、この先どうなるのでしょうか。

そのまま再生・復元されて、
4月からの開業を待つ三菱一号館。
その背面の超高層との間に設けられる中庭は、
丸の内のオアシスとして、よい雰囲気に仕上がりつつあります。


刻は取り戻せるか・東京中央郵便局。



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 ・・・どうも、ありがとうございました。


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Posted by macchan24 at 07:17│Comments(0)建築風景
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