2023年04月19日
大改造!!劇的ビフォーアフター石川邸リフォーム施工編5・浴室とウェスタンレッドシダー

石川邸は、築57年のごく普通の一軒家でしたが、
店舗併用住宅のカレー店舗スペースを取り入れるリフォーム。
飲食の仕事での毎日の仕込みや準備、買い出しなど
お店を切り盛りしていくのは本当に大変なことだと思います。

そんな身体の疲れを癒やすのは、
やはりゆっくりと入浴することではないでしょうか。
私の住まいでは、この浴室にもこだわりを持っていて、
真のリラクゼーション空間にするために、
設計を始めてから、住まいにユニットバスは使いません。


在来式という防水、左官、大工、設備の
各職人さん造作による浴室ですが、
そこに仕上げ材として使用する木材はウェスタンレッドシーダー。
もう少しコストをかけられる場合は米ヒバを使用します。
桧は浴室によく使われますが、
長年の内にどうしてもカビが発生するので避けています。


もちろん、毎日のメンテナンスをしっかりおこなえば問題ないのですが、
住まいの浴室というのは、なかなか掃除が行き届かないので、
そうした場合にもウェスタンレッドシーダーは安心です。
ここ5年ほどはハーフバス+ウェスタンレッドシーダーの組み合わせ。
ハーフバスは洗い場と浴槽が分割可能な一体の既製品で、
その上部の壁と天井は自由に設計できるというタイプで、
私はTOTO社のハーフバス08を気に入って使用しております。
https://jp.toto.com/products/bath/halfbath/

なお、壁と天井に木材を張る場合は、
下地の防湿・防水処理が大変重要となりますので、
以下のブログをご参照ください。
TOTOハーフバス・最後のオーバーヘッドシャワー
https://atelier-m-architects.seesaa.net/article/202201article_2.html
〇2023.03.19大改造!!劇的ビフォーアフター『2階が傾いた家』リフォーム概要
https://www.asahi.co.jp/beforeafter/d00193wb6q.html
https://atelier-m-architects.seesaa.net/article/498980224.html
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2023年04月13日
アイカ工業・内装用モイスNTを内装木材下地として使用する

今回の大改造!!劇的ビフォーアフターでも
壁・天井に素地張りとして使用した
アイカ工業・内装用モイスNT。
〇2023.03.19大改造!!劇的ビフォーアフター『2階が傾いた家』リフォーム概要
https://www.asahi.co.jp/beforeafter/d00193wb6q.html
https://atelier-m-architects.seesaa.net/article/498980224.html

私の場合は、もう一つの使用方法があります。
それは無垢板を壁・天井材に張る下地材とすることです。
一般的な仕様では、石膏ボードを使用して
その上に木材を張りますが、その場合は石膏ボード越しに
長めのフィニッシュネイルで留め付けることになります。

これについては長期的な反りなどへの安全を考えて
木材下地部を合板に変えることもあるはず。
しかし、そうなるとその壁の防火性能がなくなります。
こうした場合には、モイスNTを下地に張ることで
防火性能を確保しつつモイスのもう一つの特性である
釘やビスの保持力があるため安全です。

もう一つはセントラル冷暖房システムを導入する時の
木板張りの下地部分にも使用します。
セントラル冷暖房システムの場合には
どうしても住まい全体が過乾燥になるため、
湿度センサーと加湿器システムを併用するのですが、
この場合は木板の裏側でも呼吸ができないと
反りの原因に繋がりやすくなります。


この下地にモイスNTを使用することで、
張り裏側でも木材が呼吸できるように考えています。
このように、様々な使い方が考えられるのが、
アイカ工業・モイスの優れた性能といえます。
https://moiss.jp/moiss-nt/
アイカ工業・モイスNT施工マニュアル
https://moiss.jp/catalog/pdf/moiss_NTmanual_1610.pdf

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2023年04月12日
大改造!!劇的ビフォーアフター石川邸リフォーム施工編4・モイスの呼吸する壁・天井

石川邸は、築57年のごく普通の一軒家でしたが、
店舗併用住宅のカレー店舗スペースを取り入れるため
住まいへのカレーの臭いと店舗での臭いの問題を
考える必要を感じました。
不燃材料と臭い対策、さらに工期への施工性の簡素化を考えると
その素材は、これまで使い慣れているモイス以外にありません。
https://moiss.jp/moiss-nt/

この計画がスタートしたのは、2021年でしたので、
これまでもお世話になっていた三菱商事建材担当者に連絡をして
既に相談を始めていました。
2022年には三菱商事建材が双日建材へと
会社がまるまる移行するということも経験しましたが、
担当者も状況も含めて、継続対応していただきました。
ただ2022年春に着工した当時は
モイスは受注停止の状況でしたが、
そこも半年前からの継続案件ということで、
双日建材さんとアイカ工業さんとの連携で
何とか確保していただきました。
本当に、その折りはありがとうございました。

私の場合のモイスNTの使用方法は素地張り素地仕上げが基本。
壁は9.5mm、天井は6mm
モイスは1枚辺り25kgの重量がありますので
天井には石膏ボードのように9.5mmではなく、
必ず6mmを使用してください。
アイカ工業・モイスNT施工マニュアル
https://moiss.jp/catalog/pdf/moiss_NTmanual_1610.pdf

また、洗面所や便所、今回は店舗客席の使用箇所には
専用の撥水剤モイスコートの塗布も必要です。
調湿機能を持つモイスですが、上記のように
常に湿気がある場所に素地で使用するとことはできません。

こうしたことを注意すれば、優れた調湿機能、吸着・消臭機能
防火性能、環境対応に加えたデザイン性を持っています。
また端材は細かく砕いて専用の調湿袋に入れて、
床下や天井裏に設置して調湿材となりますし、
さらに細かく砕いてプランターや土に混ぜると
保湿剤となり、そのまま分解して無くなりますので、
本当に最後まで優れた性能を発揮します。
建材としての価格は高めですが、
素地張り仕上げとすることで、仕上材が不要となり
工期も短縮できて、トータルとしてのコストパフォーマンスに
優れた建材といえます。

モイスを利用した大改造!!劇的ビフォーアフター物件はこちら
〇東京八丈島:内装材モイスを壁天井全面に使用しています。
※離島のため産廃として排出することがないので助かりました。
https://www.asahi.co.jp/beforeafter/old/list/d00097wmlo.html
https://atelier-m-architects.seesaa.net/article/201208article_2.html
〇沖縄波照間島:小屋裏の欄間に6mmを編んだりして使用しています。
※日本最南端離島ですが、端材の調湿袋を小屋裏へ入れて、
空気循環をサポートしています。
https://www.asahi.co.jp/beforeafter/d00170dlfa.html
https://atelier-m-architects.seesaa.net/article/201603article_9.html
〇山梨富士吉田:鉄筋コンクリート造のスケルトンインフィルリフォーム
※RC造の建物内部にもう一度木造の箱を創り出す
https://www.asahi.co.jp/beforeafter/d00189nmkwr.html
https://atelier-m-architects.seesaa.net/article/201908article_1.html
〇2023.03.19大改造!!劇的ビフォーアフター『2階が傾いた家』リフォーム概要
https://www.asahi.co.jp/beforeafter/d00193wb6q.html
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2023年04月02日
大改造!!劇的ビフォーアフター石川邸リフォーム施工編3・集成材梁柱補強


石川邸は、築57年のごく普通の一軒家でしたが、
『2階が傾いた家』のタイトルの通り、
2階クロゼットの床の傾斜とその下の和室建具枠のゆがみ。
これから、梁か柱か基礎かのいずれかに問題があると想定できます。

今回は店舗の客席と厨房の広さを確保する必要があり、
和室とDKの壁を910mm北側へ移動することにしました。
これにより、新しい壁とその下部には鉄筋コンクリート造の
基礎を新設することができます。
店舗のベタ基礎を周囲の基礎補強に役立てていますが、
大改造!!劇的ビフォーアフター石川邸リフォーム施工編2・ベタ基礎補強
https://atelier-m-architects.seesaa.net/article/498760247.html

この店舗厨房上部が2階建ての中心に位置するため、
既存梁の掛かりが1cmという不具合から来る傾きを修正すると共に
@910欧州赤松集成材梁3本と厚24mmの構造用合板で、
8帖の床剛性補強をおこない、躯体全体の耐震性能を高めています。

ただ、この場合にはその周囲の柱のホールダウン金物が必要ですが、
店舗土間の仕上がりには側面に基礎を追加すると
出っ張りが出てしまい、厨房機器の設置に支障が出ます。
そのため、ここではパイプ羽子板かくれんぼを
8本の柱の柱脚に埋込み、その斜めボルト部分を
D13鉄筋X2本で緊結し、
ここに床かさ上げのため土間コンクリートを
柱脚まわりだけ厚240mmとして打設して、
集成材梁廻りの柱をホールダウン金物の代わりに
補強する方法を取っています。

すべてが完璧となるわけではありませんが、
できる限りの考えられる補強をおこなっていくという設計です。
大改造!!劇的ビフォーアフター『2階が傾いた家』リフォーム概要
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