2025年05月15日
築150年古民家の住まい改修13 屋根裏部屋の本2t増量

今回の構造補強でもう一つ重要な検討を要することは、
既存屋根裏部屋の本荷重増加への対応でした。
ここは元カイコ部屋だった場所で
昔の囲炉裏からの煙で燻された黒光りする梁と小屋組、
そして小黒柱の曲がり柱のある魅力的な空間でした。

窓のない屋根裏部屋にトップライトと通風窓を追加して、
その魅力をアップした書斎となるのですが、
問題となったのは、持ち込まれる本棚10本、
D150の文庫本を中心とはいえ、
その重量を計算すると約2,000kg・・・2t

この集中荷重が大黒柱・小黒柱が中心にあるとはいえ
外周壁から内側へ入った小屋壁際に集中荷重として加わるので、
構造事務所とは念入りに打ち合わせ。
設計側としても、これを梁と柱だけで受けるよりも、
床全体で受けて分散した方が良いと考えて、
それを逆手にとって、床仕上がりを兼ねるために、
1階の床と同様に、Jパネルによる剛床として、
小屋裏床の剛性をアップしつつ仕上げとしています。

ちょうど北側の通路状部分が南北の風の流れみちとなりますが、
ここも書庫にするには、壁の建て付け処理と
セルローフファイバー断熱層の切り替え、そして仕上げ厚など
さまざま検討の上、本当にギリギリで何とか納まりました。
これは、ひとえに技量のある棟梁Mさんと相方Fさん
お二人のお力に寄るところが大きいです。

壁と天井の仕上げのモイスNT厚9/6mmを素地張りとし、
調湿・防湿・消臭・耐火性能を有した
スッキリとした空気感が漂い、
床Jパネル、そして黒光りする梁と小屋組との
コントラストの映える気持ちの良い空間ができあがりました。

大改造!!劇的ビフォーアフター石川邸リフォーム施工編4・モイスの呼吸する壁・天井
https://atelier-m-architects.seesaa.net/article/498980224.html
モイスの呼吸する壁・天井とJパネル無垢板壁による室内環境
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